Rain shadow─偽りのレヴェル─
「おいお前ら!!なにしてるんだやめろ…!!」
「ぁあ?なんだこのチビ───って、おいその制服、おまえRain shadowか…?」
「そうだ僕はRain shadowの参謀、水本 爽雨だ。…だからそいつを離せよ」
カタカタカタと、全身が小刻みに震える。
だけど声だけは震えないように前に立つ。
自分より大きな男たち。
煙草の匂いや傷だらけの手。
「ふはっ、おいおい、参謀ってこんな小せェのかよ!!」
「女と変わんねぇなァ?わりと可愛い顔してるしよ?」
一瞬は怯えてくれたが、わたしにはやっぱりまだ威厳というものが足りなかった。
こうして近寄れば何かされるんじゃないかと思わせる威厳が。
だから男たちはわたしにシフトチェンジ。
横たわる男のことは忘れたように、近づいてくる。
「っ…!」
「うわっ、すげぇ軽いし!!こんなチビが本当に参謀かよ!!ウソだろ?」
ぐらっと地面から離れた踵(かかと)、掴まれた胸ぐら。
それでも悲鳴なんか上げたら元も子もないから、唇を噛みつづけて耐える。
「───おい、」
「ひっ…!」