Rain shadow─偽りのレヴェル─
学校内にこんなにも楽しい場所があったなんて、どこかワクワクもしてくる。
「アジトってほど立派なもんじゃねぇけど」
「いや、すごいよ。僕は想像もできなかったから」
「そりゃ、だってお前は普通の私立高校に通ってた女の子だし?」
……なんか恥ずかしくなってくる。
そうだよ、そこでわたしはフリフリのスカートを履いて毎日登校していたの。
想像できないでしょ?
びっくりするでしょう?
「む、向こうの教室も同じようになってるのか…?」
「あー、」
「見てきてもいい?」
返事を聞く前に教室を出てしまった。
「おい、」と声をかけられたけど、今のわたしは興奮してしまっていて。
とりあえずは隣のドアをガラガラガラっと開ければ───
「ここは…寝れるのか、本当に部屋みたいだな」
大きなタブルベッドがひとつ。
さっきの教室にはオシャレな証明が置かれていたけど、そこは点くかも不明な天井についた電気のみとなっていて。
「ん?…これって、」
そんなベッドのうえには、女もののキャミソールのようものが1枚。
思わず手にして首を傾けてしまう。
「念のため言っとくけど、ほとんどは赤矢と遼成しか使ってねぇからここ」