Rain shadow─偽りのレヴェル─
やっぱり何かがあるんだ、この朱雀工業高校には。
いいや、Rain shadowという組織には。
「敵っていうのはさ、案外いちばん厄介なところにいるものだよ」
「…それは僕にヒントをくれてるってことか?」
「さあ?ヒントってより、その心ってやつで救ってほしいのが正解かも」
久遠 綾羽のことをわたしは知りたい。
彼が死んだ理由が、お兄ちゃんが自殺した何かと関係があるかもしれないから。
もちろんそれは久遠くんに聞くのが一番いいのかもしれないけど、親友とお兄さんのふたりを失った彼に聞くのも酷じゃないかって。
「…救うよ、僕が必ず」
逸らさず見据えて言い切った。
「俺、いまの爽雨くんのそーいうサブいとこ、わりと好き」
ゲームはいつの間にか無意味なものに変わっていた。
あまり減っていないスナック菓子も同じだ。
「君のまっすぐなとこ、実際かなりみんなに効いてるだろうから」
ほんとうに…?
実際は少し不安だったりもする。
逆に周りの反感を買っちゃっていないかなって、だってかなり煽ってしまったから。