Rain shadow─偽りのレヴェル─
興味……?隣の部屋……?
隣の部屋って、わたしが知るかぎりその教室にはダブルベッドしかないんだけど……。
「なっ、僕は女なんか抱かない…っ!!」
「いや冗談だって。そんな照れる?俺さー、怪しいと思ってたんだよ最近の爽雨くん」
と、表情を戻してスッと距離を空けたキツネ。
怪しい……?
そういうつもりで言ったんじゃないし……、
って、どうしてあなたはそんなにも引きつった青白い顔をしているの。
心なしかわたしから離れた距離がすべてを表してる気がするのは……気のせい…?
「怪しいって、なにが…?」
「ごめんね爽雨くん。俺は確かに博愛主義的なところがあるし、わりとマニアックなのも好きなんだけど……、さすがにそれはキツいかなあ」
さっきからこの男はなんの話をしてるの…?
理解していないわたしにくすっと笑ってケラケラ響かせた、Foxのめんどくさい総長。
「いやー、それって女じゃなく男なら抱くってことだよね?それとも抱かれるほう?」
「………。───っ!!」
気づいてからは早い。
わたしの悲鳴のような否定の叫びが、アジトいっぱいに響いた。