Rain shadow─偽りのレヴェル─
どうしよう…。
こういう場合って、話し合いで決着をつけましょうって言って通じるもの…?
うん、そんなの考えなくても分かることだ。
答えはノー、1択。
「どーするん?大人しく尻尾巻いて逃げるんか?」
「…まさか。僕は参謀だ、たとえRavenの仕業だとしても僕はぜったい逃げない」
「……だからオレらはそないチマチマやらん言うてるやん」
そんなの分からない。
こうやってまたわたしを試しているのかもしれない。
どこかの狐さんみたいに。
疑いたくないけど、わたしたちはお互いに疑うことは大切でしょう?
「ま、がんばりーや」
ぽすっと、また頭に手を乗せられる。
その意味深な応援にどこか苛立ちさえ募って、「やめろ」と少し睨みつつ言ってみれば。
「なんか癖になんねん、おまえの髪。柔っこくて気持ちええわ」
癖って……。
女だということを勘づかれそうで、わたしは毎回落ち着かないのに。
「……赤矢。なら毎日乗せていいから、反乱なんかやめてRain shadowに戻ってくれ」
「…ははっ、考えとくわ」
やっぱり掴めそうで掴めなくて、仲良くなれそうでなれない。
それが烏間 赤矢だと思う。