Rain shadow─偽りのレヴェル─




───それはそうと、この果たし状だ。


呼び出されたのは明日の放課後、たった1人で屋上に来いと。


相手が誰かすら分からない。

GhostかRavenか、FoxかViperか。


Foxはあれから本当に問題を起こさなくなって、小さな喧嘩がいつも校舎内のどこかしらで行われているだけ。

大きな事件という事件はない平和と言うには違和感がありつつも、平凡ではある毎日を送っていた。



「…自分で確かめるしか、ないよね、」



初めてもらったお手紙?は机の引き出しにしまいこんで、とりあえず見知った顔を探す。


そんな昼休み。

まず発見したのは血が通ってないんじゃないかと心配すぎる肌をした、まだそこまで慣れていないひとり。



「水本に文句があるやつ…?」


「はい、Ghostにそういう人間はいるかなって、」


「……なにかあったのか」



わたしの顔色を伺ってくる霊池 仁は、前に立たれてしまうと影で覆い尽くしてきそうだった。


大きい……。

180センチ近くあるんじゃないかと思う身長と、それに合わせて彼はガタイが良すぎるのだ。



「いえ、知らないならいいんです。ごめんなさい霊池先輩」


「………水本、」



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