Rain shadow─偽りのレヴェル─




やりたいようにする。

呼び方だけじゃなく、ぜんぶを。


唖然と見つめる霊池先輩を置いて、わたしは次なる男を探した。



「水本さん!お疲れっす!!」


「……」


「水本さん!!総長に用があるんすか!?総長ならこっちにいます!!」


「……」



…ちがう気がする。

わざわざ総長さんの元へ行く必要もないような気がする。

それくらい、反乱を起こしていたFoxとは思えないほどの反応をしてくる生徒たち。


ここは南棟。


Foxのたまり場と言われている場所で、カラフルな壁には色んなポスターが飾られている校内。

なんていうか落ち着かないくらいチャラい場所だ…、なにここ……。



「あ、爽雨くん。なに?どうかした?」


「いや、もう解決した」


「えー、ちょっとは遊んでいってよ」


「いやいい、ほんと解決したから」



こんな目がチカチカする校舎で遊んでいけるわけがない。

地味で不気味な雰囲気が漂っていたGhostとは違って、Foxは髪色だってみんな個性的な奴らが多くて派手だ。


そうやって区別しているんだと、今になって気づくなんて……。



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