Rain shadow─偽りのレヴェル─




ぐいっと食いぎみに近寄ってきた。

コツンと肩が触れあったとしてもお互い指摘することなく、Rain shadow専用アジトのソファーにふたりきりの放課後。



「……みんな僕を女扱いするんだ、」


「…はい…?」


「赤矢はいつも頭に手置いてくるし、佐狐なんかは僕が男を好きだと思ってるし、もう散々だよ」



これは逆に言ったほうが男らしさが出るんじゃないかと思った。

そういうものにいちいち照れていたら仕方ないし、むしろ照れると言ったら1人に対してだけだ。


きょとんと目を丸くさせている後輩を横にすると、今度はじわじわ罪悪感が追いかけてくる。



「…って、瀧にこんな話してもね。ごめん、気持ち悪いよな」


「…いえ、」


「はは、忘れて。僕は確かに小さいし威厳もないかもしれないけど…、…男だ」



静まり返ってしまった。


一緒にゲームする?って誘おと思ったけど、瀧はあまりそういうものに興味ないって言ってたっけ…。

当たり前だけど男の子にもひとりずつ性格というものはあるんだなぁって。



「女扱いって、」


「っ…!」



ぐらっと身体が斜めに傾いたのは。

想像していたよりもずっとずっと強い力で引き寄せられたからだった。



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