お客様
常連さん
6年位前だったかな?
30歳の時 僕は それまで勤めていた会社が倒産してしまい ファミレスでバイトをしていた時の事
そのバイト先に 耳の聞こえない二十歳前後位の男の子4人組がよく食べに来ていた
おれはよく その子達が来る度にオーダーを取っていた
注文する時はメニューを指差し ご飯大盛りなど手振りで注文する
おれの対応が良いのか 分かりやすいのか ただ慣れてるだけなのか 注文の時には近くに居る店員を通り越し手を振っておれを呼ぶ

ある日 その中の一人の子が 女の子と二人きりで店に来た
とても感じの良い女の子で 普通に耳も聞こえるし喋る事も出来るが 彼とは手話で会話
いつもの様に彼が手を振っておれを呼ぶ
当然 女の子が注文すると思ってた
『お伺いします』
すると彼が やはりいつもの様にメニューを指差す
『○○ひ…とっつ』
たどたどしい声での注文
初めて彼の声を聞いた
彼は声での注文を続けた

そうか 恋してんのか
良いものを見せて貰った

< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

サンタからの手紙

総文字数/1,061

その他5ページ

表紙を見る
最期

総文字数/572

実用・エッセイ(その他)3ページ

表紙を見る
オッサンと妖精と自転車

総文字数/414

ノンフィクション・実話2ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop