若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
美夕が問いただすと、慶は不意に真剣な顔をして見つめ返してきた。
「お前の父親の仮釈放が決まりそうだ。内々の情報ではあるが」
「えっ……」
身内の美夕ですらまだ知らされていない情報。おそらく特別なコネクションを使って仕入れたのだろう。
「罪を償い終え、事件は過去のものになりつつある。あれこれ言ってくる輩はいるかもしれないが、お前は胸を張っていればいい。それに――」
言いかけて、慶は口を噤む。悔恨を思わせるような表情で「いや」と自分の言葉を切った。
慶がこんなにも歯切れの悪い言い方をすることに、美夕は違和感を持つ。
父の件でなにか隠していることでもあるのだろうか?
「とにかく、探られても問題ないように、秘書に対応を頼んだまでだ。お前はいつも通りにしていろ」
慶はソファを回り込むと、ローテーブルにあった飲みかけのフォンダンウォーターを一気に飲み干した。思わず美夕は「あ」と漏らす。
「それにしても、パーティーとは急だな。なにを着ていく?」
「普段と同じでいいわ。私はスーツでも着ていくつもりだけれど」
今年はレストランシップを貸し切っての船上パーティー。
「お前の父親の仮釈放が決まりそうだ。内々の情報ではあるが」
「えっ……」
身内の美夕ですらまだ知らされていない情報。おそらく特別なコネクションを使って仕入れたのだろう。
「罪を償い終え、事件は過去のものになりつつある。あれこれ言ってくる輩はいるかもしれないが、お前は胸を張っていればいい。それに――」
言いかけて、慶は口を噤む。悔恨を思わせるような表情で「いや」と自分の言葉を切った。
慶がこんなにも歯切れの悪い言い方をすることに、美夕は違和感を持つ。
父の件でなにか隠していることでもあるのだろうか?
「とにかく、探られても問題ないように、秘書に対応を頼んだまでだ。お前はいつも通りにしていろ」
慶はソファを回り込むと、ローテーブルにあった飲みかけのフォンダンウォーターを一気に飲み干した。思わず美夕は「あ」と漏らす。
「それにしても、パーティーとは急だな。なにを着ていく?」
「普段と同じでいいわ。私はスーツでも着ていくつもりだけれど」
今年はレストランシップを貸し切っての船上パーティー。