若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
第四章 触れられなかった理由
日曜日。慶に連れていかれたとんでもない場所に、美夕は声を上げずにはいられなかった。
「どうしてこんなことになったのかしら……」
高級百貨店に外商部隊がいるという話は美夕も知っていた。
セレブな顧客を特別室に招き、一般客には勧められないような何百万円のブランド品や何千万円の宝飾品を案内する。
(それにしたって、これはないんじゃない……?)
案内された先は、そもそもデパートの中ではなかった。
ホテルのスイートルームを借りての試着会。
それも、服を買いに来たはずなのに、なぜか美夕は高級フルーツの盛り合わせやキャビアのカナッペ、フォアグラのブルスケッタなんかをいただいている。
「パーティードレスを新調しに来たはずよね。どうしてお食事をすることに……」
百貨店の外商員が準備をしている間に、美夕は声を潜めて慶に尋ねる。
「サービスの一環だろう」
「こんな高級な食べ物、サービスでいただいていいの?」
「申し訳なく思うなら買ってやれ。向こうは購買に繋げようと必死なんだ」
買ってやれと簡単に言うけれど、いったいいくらするのだろうか。自分の給料で買える額だとは到底思えない。
「どれが気に入った?」
「どうしてこんなことになったのかしら……」
高級百貨店に外商部隊がいるという話は美夕も知っていた。
セレブな顧客を特別室に招き、一般客には勧められないような何百万円のブランド品や何千万円の宝飾品を案内する。
(それにしたって、これはないんじゃない……?)
案内された先は、そもそもデパートの中ではなかった。
ホテルのスイートルームを借りての試着会。
それも、服を買いに来たはずなのに、なぜか美夕は高級フルーツの盛り合わせやキャビアのカナッペ、フォアグラのブルスケッタなんかをいただいている。
「パーティードレスを新調しに来たはずよね。どうしてお食事をすることに……」
百貨店の外商員が準備をしている間に、美夕は声を潜めて慶に尋ねる。
「サービスの一環だろう」
「こんな高級な食べ物、サービスでいただいていいの?」
「申し訳なく思うなら買ってやれ。向こうは購買に繋げようと必死なんだ」
買ってやれと簡単に言うけれど、いったいいくらするのだろうか。自分の給料で買える額だとは到底思えない。
「どれが気に入った?」