若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「どんな拷問だ。耐えられなくなるだろ」

「え……な、に……?」

「これ以上煽るな」

「きゃっ――」

美夕のドレスを剥ぎ取り、床に放る。

ああ、三十万のドレスがぐしゃぐしゃに――と美夕は胸が痛んだが、悠長に浸る時間を慶は与えてくれない。

下着のさらに下に指を差し入れ、美夕を快楽へと押し上げる。

全身の触覚が数倍に膨れ上がり、過敏に慶を感じていた。

「だめ……慶……っ」

かろうじて体を隠していた下着を奪われ、残ったのは胸もとにあるダイヤとサファイアのみ。

体中、火照って熱い。顔だけでなく、触れられた部分がすべて薔薇色に染まっていく。

「俺がどれだけ、我慢したと思ってる」

慶はなぜか悔しそうにささやいて、自身のスラックスを下ろした。

「いつから、我慢してたの?」

「お前が下着姿で待っていたときから」

「それって」

慶に冷たくあしらわれた、一番最初の夜。あの日の悲しみを思い出し、じんわりと目に涙がたまった。

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