若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
頑なに食事を摂ろうとしない美夕を、乱暴に奮い立たせ――ポタージュを口移しで流し込んだのは、少々やり過ぎだったと反省しているが――美夕の瞳に再び輝きが戻ったのを確認して立ち去った。
それから毎日、桐江には美夕の様子をメールで報告させた。
今日は美夕が染み抜きをマスターした、おいしい味噌汁が作れるようになった、そんな報告を聞くたびに微笑ましさに頬が緩んだ。
風邪を引いて熱を出したと聞かされた日には、気が気ではなかった。
『美夕さんが寂しがっているようです。たまにはお顔を見せてやってはくれませんか?』
そんな連絡が桐江から来るたびに、『不要だ』と断り、あえて無関心の振りをした。
中途半端な優しさは結果的に美夕のためにならない。今の自分に出る幕はないと、慶は感情を押し殺した。
やがて美夕は、メディア系専門学校に入学する意志を固めたようだ。手筈を整え学費を用意する。
幸運にも当該学校の講師に知人がいて、美夕の校内での様子を報告してもらえた。
とても真剣に学業に取り組んでいること。交友関係も広く、器用に立ち回っていること。
課題の出来が非常に優秀で、特別賞を受賞したと聞いたときには、自らのことのように誇らしく感じた。
それから毎日、桐江には美夕の様子をメールで報告させた。
今日は美夕が染み抜きをマスターした、おいしい味噌汁が作れるようになった、そんな報告を聞くたびに微笑ましさに頬が緩んだ。
風邪を引いて熱を出したと聞かされた日には、気が気ではなかった。
『美夕さんが寂しがっているようです。たまにはお顔を見せてやってはくれませんか?』
そんな連絡が桐江から来るたびに、『不要だ』と断り、あえて無関心の振りをした。
中途半端な優しさは結果的に美夕のためにならない。今の自分に出る幕はないと、慶は感情を押し殺した。
やがて美夕は、メディア系専門学校に入学する意志を固めたようだ。手筈を整え学費を用意する。
幸運にも当該学校の講師に知人がいて、美夕の校内での様子を報告してもらえた。
とても真剣に学業に取り組んでいること。交友関係も広く、器用に立ち回っていること。
課題の出来が非常に優秀で、特別賞を受賞したと聞いたときには、自らのことのように誇らしく感じた。