若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
第六章 今、支え合って
代表就任記念パーティーから一カ月。

土曜日の夜。シャワーを浴びた美夕は、キッチンでミネラルウォーターにレモンとライムを絞り、氷を入れた。

妙にすっきりしたい気分で、体が爽やかな柑橘系を求めている。

しばらくするとシャワーを浴び終えた慶がやってきて、キッチンにいた美夕をうしろから抱き竦めた。

「慶……!」

戸惑う美夕の体を食器棚に押し付け、唇を塞ぎ、指を絡め、交わりたいというアピールをする。

最近慶は、毎日こうして美夕に激しすぎるスキンシップを要求する。

「……あ……待って……水分補給しなきゃ。お風呂から出たばかりでしょ」

「お前を補給したい」

「……最近、どうしちゃったの? 慶らしくない」

慶の肩に顔を埋め、きゅっと彼の背中に手を回す。

待ってと言っている割に、私の方がのりのりだわと、美夕は恥ずかしくなった。

「別に。夫婦だろう。これくらいする」

慶は表情を歪めず、実にドライな口ぶりで美夕を貪る。

これは本心からの行動だろうか。慶はきちんと望んでしている?

慶の心の内側が読み取れず、そわそわする。

美夕を喜ばせるためだけにしているとするなら嫌だなと、不安が湧き上がってきた。

< 181 / 254 >

この作品をシェア

pagetop