若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「周りの目を気にしすぎだ。最初から、胸を張っていてよかったんだよ」
「簡単に言うけれど、金融王の妻になって堂々としていられる女性がどれだけいると思う?」
「肩書きに踊らされるな。俺もその辺の男となんら変わりない」
「その辺の男性は毎日スイートルームに泊まったりしないわ」
嘆息する美夕に、慶は小さく笑みをこぼす。だが、ふと真剣な目をして尋ねてきた。
「胸を張れなかった原因は、父親か?」
「そう……だと思ってた。でもきっと、問題があったのは私自身」
美夕はそっと胸に手を当てる。なぜ自分が慶の隣に置いてもらえるのか、理解ができなかった。
「慶に愛されていると思えなかったからだと思うの」
だが、今では最初から大きな愛に包まれていたのだと実感できる。
「愛されていると自覚できたか?」
慶は美夕の隣に腰かけ、涼やかな、それでいて内に熱い炎を宿した瞳で美夕を見つめる。
「そのつもりよ」
美夕がまだほとんど膨らんでいないお腹に手を添えると、慶の手が重なった。
「結構、楽しみにしているんだぞ」
「そうなの? 見えなかった」
「毎日、子どもの名前を考えたりしてる」
「え? どんな名前?」
前のめりになると、少々恥ずかしそうに頬を引きつらせた。慶にしては珍しい表情だ。
「簡単に言うけれど、金融王の妻になって堂々としていられる女性がどれだけいると思う?」
「肩書きに踊らされるな。俺もその辺の男となんら変わりない」
「その辺の男性は毎日スイートルームに泊まったりしないわ」
嘆息する美夕に、慶は小さく笑みをこぼす。だが、ふと真剣な目をして尋ねてきた。
「胸を張れなかった原因は、父親か?」
「そう……だと思ってた。でもきっと、問題があったのは私自身」
美夕はそっと胸に手を当てる。なぜ自分が慶の隣に置いてもらえるのか、理解ができなかった。
「慶に愛されていると思えなかったからだと思うの」
だが、今では最初から大きな愛に包まれていたのだと実感できる。
「愛されていると自覚できたか?」
慶は美夕の隣に腰かけ、涼やかな、それでいて内に熱い炎を宿した瞳で美夕を見つめる。
「そのつもりよ」
美夕がまだほとんど膨らんでいないお腹に手を添えると、慶の手が重なった。
「結構、楽しみにしているんだぞ」
「そうなの? 見えなかった」
「毎日、子どもの名前を考えたりしてる」
「え? どんな名前?」
前のめりになると、少々恥ずかしそうに頬を引きつらせた。慶にしては珍しい表情だ。