若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「教えない」
「どうして?」
「照れくさいだろ」
「自分の子の名前なのよ? あなたがつけるのよ?」
名付けで恥ずかしがる必要などない、美夕が真っ直ぐ見つめると、慶はあきらめたような表情で息をついた。
「俺としては、『夕』という字を入れたい。お前が父親から受け継いだ名前だろう」
美夕の『夕』、そして父、夕輔の『夕』。親子の絆を尊重してくれているのだと気づき、美夕はほんのり胸が温かくなる。
「ねえ、どうして慶は父を慕っているの? 勉強を教わっていただけにしては、思い入れが深そうなのだけれど……」
「先生は、高嶺社長が言っていたように高潔な人だ。でも、俺の場合はそれだけじゃない」
慶は遠くを見つめると、懐かしむような笑みを浮かべた。
「……俺に自信を与えてくれた人だ」
予想外の返答に美夕は首を傾げる。
慶は常に気高く威厳を漂わせていて、自負の塊ともいえる。その彼に自信を?
「どうして?」
「照れくさいだろ」
「自分の子の名前なのよ? あなたがつけるのよ?」
名付けで恥ずかしがる必要などない、美夕が真っ直ぐ見つめると、慶はあきらめたような表情で息をついた。
「俺としては、『夕』という字を入れたい。お前が父親から受け継いだ名前だろう」
美夕の『夕』、そして父、夕輔の『夕』。親子の絆を尊重してくれているのだと気づき、美夕はほんのり胸が温かくなる。
「ねえ、どうして慶は父を慕っているの? 勉強を教わっていただけにしては、思い入れが深そうなのだけれど……」
「先生は、高嶺社長が言っていたように高潔な人だ。でも、俺の場合はそれだけじゃない」
慶は遠くを見つめると、懐かしむような笑みを浮かべた。
「……俺に自信を与えてくれた人だ」
予想外の返答に美夕は首を傾げる。
慶は常に気高く威厳を漂わせていて、自負の塊ともいえる。その彼に自信を?