若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「今日からここで生活しろ。生活費は振り込むから、計画的に使え」
冷ややかな言葉に、美夕は絶句した。ふたりで暮らそうというのではないのか。夫婦の生活は?
胸に抱いていた希望ががらがらと音を立てて崩れ落ちる。
「学費は気にしなくていい。学業で必要になる金は、別途請求してくれ。だが、遊ぶ金は自分で稼げ。バイトも好きにしていい。だが、まずその前に――」
慶は美夕を真っ直ぐに見つめ、低い声で命じた。
「当分の間、この部屋にこもっていてもらう。俺がいいと言うまでは外に出るな」
「はい?」
美夕は声を裏返らせる。
『好きにしていい』と言ったり、『外に出るな』と言ったり、慶はなにを考えているのか。指示に一貫性がなさすぎる。
「理由はすぐにわかる。桐江さん、あとは頼みます」
「かしこまりました」
「近いうちに顔を出す。それまで、ここでいい子にしていろ」
一方的に言いつけると、慶は美夕の言い分も聞かずにさっさと帰ってしまった。
あまりの仕打ちに茫然と言葉を失くし、桐江も困惑した様子で黙り込む。
「――つまり私は、北菱家から追い出されて、ここに閉じ込められたということ?」
最悪のパターンが脳裏をよぎる。
冷ややかな言葉に、美夕は絶句した。ふたりで暮らそうというのではないのか。夫婦の生活は?
胸に抱いていた希望ががらがらと音を立てて崩れ落ちる。
「学費は気にしなくていい。学業で必要になる金は、別途請求してくれ。だが、遊ぶ金は自分で稼げ。バイトも好きにしていい。だが、まずその前に――」
慶は美夕を真っ直ぐに見つめ、低い声で命じた。
「当分の間、この部屋にこもっていてもらう。俺がいいと言うまでは外に出るな」
「はい?」
美夕は声を裏返らせる。
『好きにしていい』と言ったり、『外に出るな』と言ったり、慶はなにを考えているのか。指示に一貫性がなさすぎる。
「理由はすぐにわかる。桐江さん、あとは頼みます」
「かしこまりました」
「近いうちに顔を出す。それまで、ここでいい子にしていろ」
一方的に言いつけると、慶は美夕の言い分も聞かずにさっさと帰ってしまった。
あまりの仕打ちに茫然と言葉を失くし、桐江も困惑した様子で黙り込む。
「――つまり私は、北菱家から追い出されて、ここに閉じ込められたということ?」
最悪のパターンが脳裏をよぎる。