若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「……失礼いたしました。ありがとうございます……」
「桐江さん。少し外してもらえますか」
慶の要求に桐江はペコリと頷くと、玄関を出ていく。
慶は持参した紙袋をテーブルの脇に立てると「座れ」と指示し、美夕をダイニングチェアに座らせた。
慶は立ったまま美夕の顔を覗き込んで、ニヤリと口の端を跳ね上げる。
「この数日でわかりやすくやつれたな」
それは笑うところだろうか。他人を小バカにするような表情に反感を覚え、美夕は無言を貫く。
「まずは食え」
「……食欲がありません」
拒絶すると、慶はそんなリアクションなど想定内とでも言うように笑みを深めた。ポタージュの器を手にして、あろうことか自身の口へと流し込む。
「慶さん……?」
なぜ自分で飲むのだろう。お腹が減っていたの? 眉をひそめていると、突然慶の手が美夕の顎を掴み、押し上げた。
不遜な顔を近づけ――いや、近づけるどころか唇を重ねて、口移しでポタージュを喉の奥に流し込む。
「んっ――!」
一瞬、ファーストキスという単語が美夕の頭を掠めるも、それどころではない。
「桐江さん。少し外してもらえますか」
慶の要求に桐江はペコリと頷くと、玄関を出ていく。
慶は持参した紙袋をテーブルの脇に立てると「座れ」と指示し、美夕をダイニングチェアに座らせた。
慶は立ったまま美夕の顔を覗き込んで、ニヤリと口の端を跳ね上げる。
「この数日でわかりやすくやつれたな」
それは笑うところだろうか。他人を小バカにするような表情に反感を覚え、美夕は無言を貫く。
「まずは食え」
「……食欲がありません」
拒絶すると、慶はそんなリアクションなど想定内とでも言うように笑みを深めた。ポタージュの器を手にして、あろうことか自身の口へと流し込む。
「慶さん……?」
なぜ自分で飲むのだろう。お腹が減っていたの? 眉をひそめていると、突然慶の手が美夕の顎を掴み、押し上げた。
不遜な顔を近づけ――いや、近づけるどころか唇を重ねて、口移しでポタージュを喉の奥に流し込む。
「んっ――!」
一瞬、ファーストキスという単語が美夕の頭を掠めるも、それどころではない。