若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「――北菱です。予定通り、そちらに荷物を運び込みますので、誘導をよろしくお願いします」
予定通りという言葉にカチンときた。
「私、やっぱり、南青山のマンションがいいのですけれど」
通話を終えた慶に、半ば意地になって口答えしてみると。
突然慶の腕が美夕の肩に回った。体を引き寄せられ、凛々しい顔がすぐ横に近づいてくる。
形のいい唇が、美夕の耳もとで低く甘いささやきを漏らす。
「あまり夫に寂しい想いをさせるな」
慶の唇が美夕のこめかみに触れ、ちゅっという水音を漏らす。
「……は?」
心臓がばくんと膨張し、血液が沸騰するかと思った。反論が頭から吹き飛んでしまう。
強引にキスをされたときは怒りに任せて平手打ちができたけれど、こんなに優しくささやかれては、怒ることもできない。
恥ずかしくて悔しいのに、頬がふにゃふにゃと緩みそうになる。
美夕は困りに困り果て、情けない顔を見せまいと、手の甲で口もとを隠した。
予定通りという言葉にカチンときた。
「私、やっぱり、南青山のマンションがいいのですけれど」
通話を終えた慶に、半ば意地になって口答えしてみると。
突然慶の腕が美夕の肩に回った。体を引き寄せられ、凛々しい顔がすぐ横に近づいてくる。
形のいい唇が、美夕の耳もとで低く甘いささやきを漏らす。
「あまり夫に寂しい想いをさせるな」
慶の唇が美夕のこめかみに触れ、ちゅっという水音を漏らす。
「……は?」
心臓がばくんと膨張し、血液が沸騰するかと思った。反論が頭から吹き飛んでしまう。
強引にキスをされたときは怒りに任せて平手打ちができたけれど、こんなに優しくささやかれては、怒ることもできない。
恥ずかしくて悔しいのに、頬がふにゃふにゃと緩みそうになる。
美夕は困りに困り果て、情けない顔を見せまいと、手の甲で口もとを隠した。