若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「飲み物しか……ない」
端っこの方に、かろうじておつまみの生ハムとチーズを発見する。調味料は――なさそうだ。
「男のひとり暮らしなんて、そんなものだろう」
「食事はどうされてるんですか」
「デリバリーか外食」
本当にそうかしら?と美夕は懐疑的だ。だが、慶以外の男を美夕は知らないので、なんとも反論できない。
冷蔵庫の中からミネラルウォーターのペットボトルを選び取り、グラスに開けた。
残りを冷蔵庫に戻そうとして、ふと手を止める。
「名前、書いておきます?」
「口つけてないなら、誰が飲んだっていいんじゃないのか」
「確かに」
「まあ、俺はつけるけどな」
え、と美夕は固まる。今の無駄な会話はなんだったのだろう。
「今後はルールを決めないと」
「いいだろ夫婦なんだから、間接キスくらい」
「直接口をつけると、雑菌が繁殖します。お腹を壊しますよ」
「じゃあ左側に置いとけ、俺は右に置く」
端っこの方に、かろうじておつまみの生ハムとチーズを発見する。調味料は――なさそうだ。
「男のひとり暮らしなんて、そんなものだろう」
「食事はどうされてるんですか」
「デリバリーか外食」
本当にそうかしら?と美夕は懐疑的だ。だが、慶以外の男を美夕は知らないので、なんとも反論できない。
冷蔵庫の中からミネラルウォーターのペットボトルを選び取り、グラスに開けた。
残りを冷蔵庫に戻そうとして、ふと手を止める。
「名前、書いておきます?」
「口つけてないなら、誰が飲んだっていいんじゃないのか」
「確かに」
「まあ、俺はつけるけどな」
え、と美夕は固まる。今の無駄な会話はなんだったのだろう。
「今後はルールを決めないと」
「いいだろ夫婦なんだから、間接キスくらい」
「直接口をつけると、雑菌が繁殖します。お腹を壊しますよ」
「じゃあ左側に置いとけ、俺は右に置く」