きっと、恋をしている
そんなある日、私は涼子と学校帰りに駅のホームでふざけながら駄弁っていた。
すると涼子が何かを見つけ、そちらを見ながら私に耳打ちする。

「ねぇねぇ、あそこの陰にいる先輩たち、煙草吸ってない?」

「え?!」

私はそーっと涼子が見ている方をチラッと見た。
そこには先輩たちが駅の陰で煙草を吸っている。

「うわ、ほんとだ。駅員さんに見つからないのかな?」

「あーいう人たちとは関わんない方がいいよ」

涼子はそう言って目線をそらした。
私はまだしばらく見ていると、1人の先輩と目が合ってしまった。
ビックリして思わず私も目をそらした。

やば、見てるのバレたよね?喧嘩売ってるって思われてたらどうしよう…怖いな…。

私は内心ドキドキ焦っていた。
その後すぐに電車が来たのが救いだった。
あの先輩たちは逆側のホームにいたので、乗る電車は別のようだった。

「さっきあの中の1人と目が合っちゃって…。メンチ切ってるとか思われてないかな…?」

私は電車の中で涼子に言った。

「目合ったの?めっちゃ怖いじゃん。でもタバコ吸ってたのって2、3人だけで、それ以外の人は吸ってなかったし、その中の人ならそんなに怖い人でもないんじゃない?」

涼子はそう言って私を励ましてくれた。
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