夏ラムネ
私のキラキラ

午後四時半。


「…うう、あっつ」


夏の太陽はまだまだ高い場所、おかげで保健室のベッドの上で寝返り放題だ。



なんでここにいるのか、寝ぼけ混じりに思い出すけれど、どうしても最後だけ記憶がない。



全校集会で、暑くて、段々フラフラして…



千彰(ちあき)かな…?



ぼうっとしながら半身を起こして、ひとつ年下の幼馴染にメッセージを送った。



でも答えはいいえ。



いつも、どこにいても駆けつけてくれる優しい幼馴染。



だから、この夏真っ盛りな保健室に、わざわざ水を買って置いてくれたのかと思ったけれど。



…てことは、授業ぜーんぶ受けてないってこと?



テスト、諦めよっかなあ。



時間が経っている証拠に、ペットボトルから水滴がちらちら落ちている。



誰が運んでくれたんだろう?そう考えながら、用意してくれていたお水を口に入れた時だった。
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