スキナダケ
おじさんが吸ってた煙草を血溜まりの中に放った。
誰の血液かは、もう分からない。
ジュって小さい音が鳴って、煙草は赤く染まっていった。

ハナはそのままシャワーを借りて、体を綺麗に洗った。
今更証拠隠滅も何もないけれど、一応浴槽に飛び散った血液は綺麗に流した。

「ほら」

お風呂を出たらお父さんが紙袋を渡してくれた。
ハナの部屋着が入ってる。

普段、家で着てるやつじゃない。
お父さんの車に置かせてもらってる、こういう時の為の着替えだ。

ただのTシャツとハーフパンツ姿になったハナを、おじさんは物珍しそうにジロジロ見ながら、追い払うようにハナとお父さんをマンションから追い出した。
< 107 / 235 >

この作品をシェア

pagetop