スキナダケ
「ハナちゃん、おかえりなさい!」

帰宅したハナを夕海は玄関で出迎えてくれた。

「あれ?パパも一緒だったんだ?てかハナちゃん、服どうしたの?髪も…」

「お前は気にしなくていいんだよ」

夕海の声をお父さんが遮って、言いながらまた外に出ようとした。

「どっか行くの?」

「行ってたんだよ元々。お前に呼び出されたからな。先方を待たせてんだよ」

「そうだったんだ。ごめんね?相手の人、大丈夫?」

「お前が心配することはねぇよ」

お父さんはそのまま出ていった。
そういえば汚れた服はどうしてくれるんだろう。
適当に処分はしてくれるだろうけど。

そう。
ハナが心配することなんて何も無いんだ。
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