スキナダケ
目の前に飛び散った、さっきまで生きていた肉塊。

見たことないくらい沢山の、赤色の液体。

ハナの指先は、まだ女の子の熱を憶えているのに、
あの子は死んじゃった。

たった一瞬で。

シン、と静まり返ったと思ったホーム内は、すぐに沢山の人達の悲鳴で満たされた。

恐怖の具現化。
凄い。
こんな感じなんだ。

すぐに駆けつけた駅員さん達に囲まれて、駅員室に連れて行かれた。
跳ねられた女の子と一緒に居たのはあの子だって、駅員さんを呼びに行った野次馬がすぐに教えてくれたんだって。

事情を聞かれたけど、ハナは泣いて泣いて、うまく話せなかった。

急にバランスを崩して線路に落ちちゃった。
SNSで出会ってからずっと、死にたいって悩みを抱えてた。
だから今日も話を聞く為に初めて会ったんだって。

大変だったね。
君も苦しいねって、みんながそう言ってくれた。

誰もハナのことを疑わなかったし慰めてくれた。

あぁ、ほんとに。
顔がいいって正義だな、ってハナは実感した。
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