スキナダケ
「あの服でシよって言ったの忘れたの?」

「忘れてないよ。でもコレでもいーじゃん。たまには新鮮でしょ?ただの男の部屋着」

「ちゃんと答えてよ。なんではぐらかすの」

「夕海、今日は大胆だね」

「ふざけないで」

「ふざけてないよ」

「なんで答えないの」

「どうしたの?嫉妬?」

「言えないことしてたの?」

「僕も男だからねぇ」

グッと夕海の指がハナの首に食い込んだ。
喉仏らへんを強く掴まれて苦しいし、爪を立てられて首の後ろも痛い。

「ゆ…う…」

「言ったよね?ハナちゃんは私の物だって。誰に飼われてるか忘れたの?約束破るつもり?」

確かに強く絞められてるけど、多分振り解こうと思えば簡単に出来る。
夕海よりハナのほうがずっと力は強いし、手足を拘束されてるわけでもない。

それでもハナはジッと夕海に従った。
だって、ハナの飼い主は夕海だから。
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