スキナダケ
「ひと…ごろし…?」

「うん」

「えーっと、ゲームかなんかの話?」

「ううん。リアルにだよ。今日もそれで、服汚しちゃって」

「ほんとなの…?今までどれくらい殺してきたの」

「憶えてない。中学卒業する頃にはもう二十人くらいは殺してた」

「いつからやってるの」

「中二から」

夕海はハナの顔をジッと見たまましばらく何も言わなくなった。

かける言葉が見つからないのか、単純にハナに引いてしまったのか。

じわじわと後悔が押し寄せる。
それは夕海に話したことに対してだ。
人を殺してきたことにじゃない。

失いたくない人に事実を知られても、殺人に対してはちっとも後悔の感情が浮かばなくて、やっぱりハナはどうかしちゃってるんだと思う。
< 114 / 235 >

この作品をシェア

pagetop