スキナダケ
「それで、今日まで続けてきたのね。なんで今までバレなかったの」

「お父さんが…協力してくれた。それと、お父さんがいつもお世話になってる警察のおじさん知ってる?」

「知らないけど…。警察も証拠隠滅に協力したの?」

「最近お父さんずっと忙しいじゃん?ハナの尻拭いで警察の厄介ごと引き受けてくれてんの。だから今日も二人に助けてもらったんだ。そうじゃなきゃハナ、今日死んじゃってたかも」

「どういうこと?」

「今日会った子さ、ハナのこと騙そうとしてたんだよね。ハナのこと犯すつもりだったみたい。男三人呼び出しててさ。でも自殺志願者にしては言動がおかしいって思ったんだよね。だからお父さん達に待機しててもらったの。おかげで助かったよ。だってこのまま死んじゃってたら夕海にさよならも言えなかったし」

夕海が「さよなら?」って言った声がかすれていて聞き取りにくかった。

ハナもひどく喉が渇いていた。
これ以上本当のことを話すのは苦しかった。
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