スキナダケ
でもね、その時のハナには「人を殺した」って感覚が無かったんだよね。

だって、ハナの手でヤッたわけじゃないっていうか…実際に轢き殺したのは電車だし。

だからハナにとっては不完全燃焼だった。

元々自分の中に殺人願望があったわけじゃない。
ただ一度、人の死に触れてしまったら、それってなんだかすごく、魅力的に感じてしまったんだ。

あの子がハナに感じていたみたいに、
なんだか自分が神様になったみたいって思っちゃった。

だってハナには、なんにも無かったから。
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