スキナダケ
裏切りに散る華
「もう夏休み終わっちゃうね」
リビングの掃き出し窓を開けて、足をぶらぶらさせながら夕海はアイスを齧った。
窓が全開だから冷房はまったく効いてない。
蝉の合唱がダイレクトに響いててうるさい。
庭の花壇には何も咲いてない。
手入れをする人が居ないから。
「ハナちゃん、なんか一緒に花の種植えようか」
溶け始めたアイスを夕海はていねいに舐めては齧ってを繰り返しながら言った。
夕海の傍に寝転んだままボーッと庭を眺めてるハナの耳には、うるさい蝉の声の中にかすかに夕海が齧るガリガリってアイスの音が混じって聞こえていた。
「植えてもすぐに枯らしちゃうよ」
「なんでー」
「誰も世話しないから」
「そっか。それじゃあ悲しいね」
「うん」
もう少し近付いて、掃き出し窓から投げ出したままの足をぶらぶらし続ける夕美の太ももに自分の頭を乗せた。
夕海は黙って髪を撫でてくれた。
それから繰り返してまた言った。
「夏休み、終わっちゃうね」
「うん」
リビングの掃き出し窓を開けて、足をぶらぶらさせながら夕海はアイスを齧った。
窓が全開だから冷房はまったく効いてない。
蝉の合唱がダイレクトに響いててうるさい。
庭の花壇には何も咲いてない。
手入れをする人が居ないから。
「ハナちゃん、なんか一緒に花の種植えようか」
溶け始めたアイスを夕海はていねいに舐めては齧ってを繰り返しながら言った。
夕海の傍に寝転んだままボーッと庭を眺めてるハナの耳には、うるさい蝉の声の中にかすかに夕海が齧るガリガリってアイスの音が混じって聞こえていた。
「植えてもすぐに枯らしちゃうよ」
「なんでー」
「誰も世話しないから」
「そっか。それじゃあ悲しいね」
「うん」
もう少し近付いて、掃き出し窓から投げ出したままの足をぶらぶらし続ける夕美の太ももに自分の頭を乗せた。
夕海は黙って髪を撫でてくれた。
それから繰り返してまた言った。
「夏休み、終わっちゃうね」
「うん」