スキナダケ
リビングの隅に、夕海がこの家にやって来た日に持っていたキャリーケースが立てて置いてある。
夕海は今日の夕方、自分の家に帰ってしまう。
電車で一時間くらいの距離だ。
そう遠くはない。
会おうと思えばいつでも会える。
でもハナは、夕海の家の位置までは知らない。
「楽しかったなー、夏休み。ハナちゃんは?」
「んー、うん。楽しかった」
「あはは。全然そんな風に聞こえなーい。ま、いっか。またいつでも会えるよ」
「…だといいけど」
だんだんと眠たくなってきてる目をこすって、起き上がった。
夕方になったら夕海は行ってしまうのに、寝てしまうなんてありえない。
起き上がって、当たり前みたいにキスをした。
夕海が食べてたアイスのみかんの味がした。
「ただいまー、ハナちゃーん!いるー?」
玄関からママの声がする。
構わないで夕海とキスを繰り返した。
夕海が右手で持ってたアイスの残りが溶けて崩れて、地面に落ちた。
「ハナちゃーん?」
バタバタと玄関から上がってくる音が聞こえた。
ちょっとだけ夕海から離れてリビングのドアを見てたら、ママが入ってきて「あっつ!」って言った。
夕海は今日の夕方、自分の家に帰ってしまう。
電車で一時間くらいの距離だ。
そう遠くはない。
会おうと思えばいつでも会える。
でもハナは、夕海の家の位置までは知らない。
「楽しかったなー、夏休み。ハナちゃんは?」
「んー、うん。楽しかった」
「あはは。全然そんな風に聞こえなーい。ま、いっか。またいつでも会えるよ」
「…だといいけど」
だんだんと眠たくなってきてる目をこすって、起き上がった。
夕方になったら夕海は行ってしまうのに、寝てしまうなんてありえない。
起き上がって、当たり前みたいにキスをした。
夕海が食べてたアイスのみかんの味がした。
「ただいまー、ハナちゃーん!いるー?」
玄関からママの声がする。
構わないで夕海とキスを繰り返した。
夕海が右手で持ってたアイスの残りが溶けて崩れて、地面に落ちた。
「ハナちゃーん?」
バタバタと玄関から上がってくる音が聞こえた。
ちょっとだけ夕海から離れてリビングのドアを見てたら、ママが入ってきて「あっつ!」って言った。