スキナダケ
「そろそろ行くぞ」

お父さんに声を掛けられて、頷いてパイプ椅子を納屋に戻した。

「今日は開けないの」

「無理だろ。熱くて確認なんてできねぇよ」

「そっか。ねぇ、この焼却炉ってさ、法律の規定とか満たしてんの?大丈夫なの?」

「さぁな。従業員に任せてるよ。それにお前、法律どうのって今更だろ」

お父さんはニヤっと笑いながら車に乗り込んだ。

それもそうだ。
焼却炉の設置や使用が法律の規定を満たしていようが無かろうが、それよりももっと酷いことをしている。

ハナにはもう、焼却炉の使用くらい、子どもの悪戯みたいなもんだ。
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