スキナダケ
あぁ、もういっか。
やめちゃおうかな。

どうせ一人なら。
どうせ捨てられるなら。

生きてても死んでても同じ。
だったら死んだほうがマシだ。

一度でもそう思ったら、もうそれしか方法は無いって思えてくる。

今まで殺してきた人達もこんな想いで死んでいったのかな。
それが救いだって本当に思ってたのかな。

この先の自分のことなんて分かんないけど、死にたいとまでは思わないって思ってた。

他人にも興味無いし、
ただハナはステータスが他の人間よりも恵まれてたから、どっちかって言えば生きてみようかなって程度。

今はその頃の感情のほうがすごく間違ってた気がする。

ハナにはなんにも無かった。
本当は何も持ってなかったのに、なんて滑稽だったんだろう。

SNSで一番綺麗に咲いてるのは自分だって、
自殺志願者達の神様なんだって、ハナが死を与えてあげることがこの人達の最期の希望なんだって…。

自分が自分に陶酔してたんだ。

誰よりもハナが一番、愛に飢えてたのに。
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