スキナダケ
その日、ハナは複数持っていたSNSのアカウントを全て削除した。

一瞬のタップでハナの存在は消えて、この瞬間から本当にハナを必要としている人間は居なくなった。

ハナが居なくなってもお父さんもきっとだいじょうぶ。
目の前に居るからハナに執着してるだけだ。
居なくなればきっとすぐに忘れる。
元々他人なんだから。

でも、お父さんには最後のお願いをしなきゃいけなかった。
計画にはちょっと詰めが甘いかもしれないけど、細かいことは今までみたいにうまくやってくれるって信じてる。

ハナが生きてた証はその瞬間に永遠に刻まれる。
世界でたった一人でもハナを忘れられない世界を。
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