スキナダケ
ハナちゃんは簡単に私に落ちてくれた。
私が思うよりもずっと深く、依存した。

ハナちゃんの孤独がどれだけ強大な物だったのかを思い知った。

ハナちゃんのおうちでの生活が終わる日、ありきたりなお別れなんかしたくなかったから、ハナちゃんを挑発した。

挑発して、怒らせて、それからまた甘い言葉を吐く。

私だけの物になってって。
私しか見ないでって。

いい子にしていればまた会いにくる。

その言葉をハナちゃんは何倍も重く、強く受け取った。

お母さんを殺したことをパパから聞いた時、まさか本当にそこまでするなんてって、正直ちょっと興奮した。

ハナちゃんを独占したいと思う人がどれだけ居るだろう。
ハナちゃんの容姿に心を奪われて、狂おしく想っている人がどれだけ居るだろう。

そのハナちゃんは私に夢中で、私の為ならなんだってする。
私だけの為に。

その優越感ったら無かった。

だから、彼氏と一緒に居るところを見られた時はちょっと焦った。
ヤバイかもなって思った。

一度、話をしようとも思ったけれど、そんな機会も与えられないまま、パパからハナちゃんの計画を聞いた。
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