スキナダケ
最初は彼のほうからDMが来た。

「猫飼ってるんですか?可愛いですね」

私のアイコンへの感想だった。
猫なんて飼ってない。
道端で適当に撮った写真だ。

「飼ってないです。動物アレルギーなんで」

「え?じゃあそのアイコンは?」

「野良猫です」

「本当は動物飼いたいんだね?アレルギーだから無理なんだ?」

「いえ、全然」

「あはは。おかしな人」

そこから彼とのやりとりが増えた。

彼の通ってる高校は有名で、距離は離れてるけれど同じ県内だから、うちの近所でも知らない人は居ない。

ハナちゃんの学校と近いことも好都合だった。
もしかしたらその学校の話とかも聞けるかもしれないって思った。

彼は親からのプレッシャーや勉強のストレスで、時々SNSで愚痴を吐いた。

それを慰める。
私は味方だよって。
あなたは頑張ってるって。

会いたいって言われた時、本当はちょっと面倒だなぁとも思ったけれど、ハナちゃんの気をもっと引くのに使えるかもしれない、とも思った。
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