スキナダケ
こうしてハナは人を殺すことにのめり込んでいった。

どんな生き方をしてき人を、どういう方法で殺しても快感は得られない。
対象者の死と引き換えにハナの生きてきた証になる。

その為だけに何人も殺してきた。
図鑑や博物館みたいに形として記録が残せないのが残念だった。

ただ日記みたいにノートに綴るだけ。
嘘か本当か他人には分からない、ハナの歴史集がページを増やしていく。

相手が男性だろうが女性だろうが、その人の要望に従った。
体を求められればそうしたし、
殺されたい方法も叶えてあげた。

処理は全部おじさんがしてくれた。
この頃はお父さんも「案件」が増えて忙しそうだった。

こうやって社会は廻ってる。
増え続ける人間をハナが駆除して、ハナの汚れはおじさんが一掃して、その代償はお父さんが全部担って、お金に変えて、そのお金で社会を廻した。

少なくとも、ハナの世界では。
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