スキナダケ
「なに?」

「お前は俺の宝物だ」

「は?あはははは、お父さんってそんな冗談言う人だっけ?」

「冗談じゃねぇよ。俺が持ってるどんな宝石や財産もお前には敵わない。俺はお前を買ったんだ」

「買った?」

「お前の母親だってたまにしか帰らないだろ。なんで野放しにしてるか分かるか?お前との引き換えだよ。お前は俺の好きにさせる。その代わり金も時間も自由もいくらでもくれてやる。利害関係が一致してんだ」

お父さんの指がハナの頬に触れてすぐに離れた。
硬い指先だった。
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