スキナダケ
ちょうど冷蔵庫に麦茶を取りに立ち上がった時だった。

玄関のインターホンが鳴った。
ずっと家に居たから部屋着のスウェットのままだったけれど、まぁいっか。

そのまま玄関に行ってハナは「どちら様ですか」ってドア越しに声を掛けた。

「ゆうみです。今日からお世話になります」

小さい声だった。
ハナよりも高い、女の子らしい声。

魚眼レンズを覗いたらちょっと俯き加減に女の子が経っていた。

ハナはまた軽く手櫛で髪をといて、玄関のドアを開けた。
顔は洗ってて良かったって思いながら。
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