スキナダケ
女の子のスカートの下の、ハナの「本当」を、夕海はまたクスクス笑って「余計にエロい」って言った。

その時のハナには余裕が無かった。
夕海が来てからずっとそうだった。

初めて会う女の子の前で、ハナはずっと焦ってた。
本当にどうしてしまったんだろう。

ハナには多分、この子しか居ないって思ってしまった。
お父さんももしかしたら、こんな感情だったのかもしれない。
だからハナを買ったんだ。

もしもハナに力があってお金があって、もっと大人だったらハナも夕海をずっと自分の傍に閉じ込めておくかもしれない。

夕海だけが何者にもなれないハナのことを許してくれるんじゃないか。
夕海の目を見ていたらそう思ってしまった。

夕海が肩で息をしている。
上擦った高い声。
耳元で聴こえる吐息。
柔らかい肌。

ハナとは違う。

何の匂いもしなかった夕海から、女の子の甘い匂いがする。

ハナとは違う。

ハナとは違う。

綺麗な女の子。
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