スキナダケ
「思い切りが大事なの」
「え?」
「ミルフィーユはね、」
お姉さんはオペラを食べていたフォークを置いて、ハナの手からフォークを奪った。
そのままザクッとミルフィーユに縦に突き刺した。
綺麗に切り取られたソレを、お姉さんはハナの口元に運んで、ハナは素直に口に含んだ。
サクサクのパイ生地。
スッキリしたカスタードクリームの甘さ。
苺の酸味。
美味しいって思った。
「上手だね」
「たまたまよ」
「慣れてるんだと思った」
「ううん。何かの小説で読んだのよ。ミルフィーユは思い切りが大事なんだって。優しくそっとフォークを刺してもぐちゃぐちゃになっちゃうだけだって」
「へぇ…」
お姉さんは好奇心が旺盛だし明るい。
DMで話していた通り、実際に会ってみてもやっぱり死にたいようには見えない。
ただの興味だろうか。
そういう人も、たまに居る。
でも絶対にそうだとは言えない。
この前も思ったけど、今は調子がいいだけで、夜になった時の、この人の「本当」をハナは知らない。
「え?」
「ミルフィーユはね、」
お姉さんはオペラを食べていたフォークを置いて、ハナの手からフォークを奪った。
そのままザクッとミルフィーユに縦に突き刺した。
綺麗に切り取られたソレを、お姉さんはハナの口元に運んで、ハナは素直に口に含んだ。
サクサクのパイ生地。
スッキリしたカスタードクリームの甘さ。
苺の酸味。
美味しいって思った。
「上手だね」
「たまたまよ」
「慣れてるんだと思った」
「ううん。何かの小説で読んだのよ。ミルフィーユは思い切りが大事なんだって。優しくそっとフォークを刺してもぐちゃぐちゃになっちゃうだけだって」
「へぇ…」
お姉さんは好奇心が旺盛だし明るい。
DMで話していた通り、実際に会ってみてもやっぱり死にたいようには見えない。
ただの興味だろうか。
そういう人も、たまに居る。
でも絶対にそうだとは言えない。
この前も思ったけど、今は調子がいいだけで、夜になった時の、この人の「本当」をハナは知らない。