スキナダケ
テーブルの上にはハナとの待ち合わせ場所に向かう前まで課題でもしていたのか、レポート用紙と何かの資料、筆記用具が散らばっている。

とても今から死のうって人の部屋には見えない。
今日死ぬのに学校の課題なんて、ハナなら絶対にしない。

「ちょっと待って。アラームかける」

ハナは言って、ポケットからスマホを取り出した。

「アラームって?」

「ちょっと話そうよ。約束したじゃん。死にたい理由、ちゃんと話してくれるって。で、アラームが鳴ったらおしまい。約束通り、ハナはあなたを殺す」

「うん、分かった。いいよ」

「じゃあ、今から三十分ね」

操作していたスマホをもう一度ポケットにしまった。

お姉さんはずっとニコニコしてハナを見てた。
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