桜色-出会い-
あたしたちは誠太君と一緒に誰も出入りしない、教室からちょっとはなれた部屋に行った。


「あの………」


「よかったな♪♪
うまくいって…」


なんでこんなときまで優しいの…??


「ごめんね……」



そのとき龍君が誠太君に謝ったんだ………






なんで龍君が謝るの…??

「ほんとに悪い……
今更出てきて彼氏ずらすんのもおかしいと思うけど、俺は夏美が記憶を失ってた間も夏美の事しか考えられなかった……
だから夏美を呼び出して、もう一度告白しようとしたんだ。
お前にはほんとに申し訳ないと思ってる。」


「もういいって……
夏美、俺と付き合ってる時もなんか比べてる感じがした。
やっぱり藤崎には勝てないんだって思ったんだよ……」





あたし、無意識なうちにそんな事してたんだ……




「誠太君ありがと………」

あたしは涙をこらえようと必死だった。
ほんとに泣きたいのは誠太君の方だと思うから。


あたしが我慢しなきゃ
誠太君が悲しんじゃう…
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