桜色-出会い-


「あぁ。…ということは、君が藤崎龍君かー、よろしくね。龍君」


「うざ。お前バカだろ」



「まぁ頭は良くない方かなー……でもさ、言われると傷つく。認めるけど」



「…俺、お前嫌いなんだけど」



「いや、好かれても困る……」


出来れば好かれたいが。




「うぜぇ…お前さ、俺が女でも容赦ないの知ってた?」


「いや、初耳だね」


初対面だもん。




「今すぐお前を殴る事だって出来るわけ。俺今お前に腹立ってんだ。」



「あたしよく天然って言われるんだよね。いつの間にか人を怒らせちゃって……だから、何かしたならごめんね」



「…うぜぇな」



―――――ヒュッ


龍君が拳を振り上げた。



あぁ、怒らせちゃったのか。




――――――パシッ…



いつまで経っても降りてこない龍君の拳は、あたしには当たらなかった。が、目の前にある。




え、誰?



「女に手あげんなよ。」



……カッコいい!


顔が整った茶髪の少年が、あたしの前にいた。無造作にセットされた髪型が、似合ってる。


背が高くて、誰が見てもイケメンだ。


「誰だてめぇ」


「岡田雄介」



「何だよ、王子様気取りか?」



「お前だって、お姫様気取りなんじゃねぇの?」
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