再び、光が差す-again-〈下〉
「大抗争で刃物を持ち出した相手の暴走族の一人が殺したのよ」


それを聞いて、全てが繋がった気がした。

ずっと杏樹の時が止まっている理由も、Againを名乗っている聡さんに腹を立てる理由も、突然姿を消したことも、全てではないが杏樹の影の部分にやっと触れられた。

そして頭の中で整理していくと少しずつ他のことも繋がってくる。

急に黙りこくる私に桜は「変な子」と独り言を呟く。

暫く黙り考え込むと、私は桜の方を見る。


「もしかして、私達以外に閉じ込められてる人いなかった?」


私の唐突な的をついた質問に、桜の目が見開かれる。


「…え、なんで知ってるの?
もしかしてソイツに会った?」


それを聞いて、私は菜穂の頭を慎重に自分の足から床に置いて立ち上がる。
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