再び、光が差す-again-〈下〉
「お前、探偵ばりの名推理だな」


杏樹は私に降参するように諦めの笑みを零す。


「お前に嘘は通じなさそうだな、カオルも大変だ」


その言葉に聡さんが声を出して笑う。


「行けよ、カオル来てんだろ」

「綺月のこと死ぬほど心配してたぞ」


カオルが来ている…

そう言われ、私はすぐに飛び出すように部屋を出た。


「どこ、カオル」


首を振りながらカオルの姿を探す。

乱闘した後のように、あちこち物が散乱していた。

私はそれを避けながら階段を下りる。
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