再び、光が差す-again-〈下〉
聡の後を追って部屋を出ると、一つの窓から真っ赤な夕日が今まさに沈もうとしているのが見えた。
ミナトがいなくなった世界は、色が無くなったみたいに目に映るもの全てつまらなかった。
息をしているのか、自分はどこに向かって歩いているのかずっと分からなかった。
ただ色んなものが憎くて、ムシャクシャして、自分の存在すら許せないくらい毎日苛立っていた。
どんなに人を傷つけても、欲求を満たしても、うまらない喪失感に心が悲鳴をあげていた。
そんな時に、雨の中立ち止まる女に会った。
自分の傘に入れてあげたのは、本当にただの気まぐれだった。
その女が後にカオルの女だと気付いたのは、その次の日桜から得た情報で知った。
綺麗事ばっかり口にして、俺の事なんて何も知らないくせに偉そうに発する言葉に、意外にも少しだけだけど気が楽になった気がした。
ミナトがいなくなった世界は、色が無くなったみたいに目に映るもの全てつまらなかった。
息をしているのか、自分はどこに向かって歩いているのかずっと分からなかった。
ただ色んなものが憎くて、ムシャクシャして、自分の存在すら許せないくらい毎日苛立っていた。
どんなに人を傷つけても、欲求を満たしても、うまらない喪失感に心が悲鳴をあげていた。
そんな時に、雨の中立ち止まる女に会った。
自分の傘に入れてあげたのは、本当にただの気まぐれだった。
その女が後にカオルの女だと気付いたのは、その次の日桜から得た情報で知った。
綺麗事ばっかり口にして、俺の事なんて何も知らないくせに偉そうに発する言葉に、意外にも少しだけだけど気が楽になった気がした。