再び、光が差す-again-〈下〉
俺たちは誰もいない待合室の椅子に腰掛け、すぐに口を開いたのは綺月の母親だった。
「妹さんがいるんでしょ?大丈夫なの?」
「連絡しておいたから大丈夫です」
「そう、聞き分けがあるいい子なのね」
綺月のことが心配で、このまま帰っても奈都に心配されるだけだ。
聞き分けがいいわけじゃない、自分が我儘なだけだ。
もしかしたら、綺月とはもう会わないでくれと言われるかもしれない。
両親もいない、学歴も無い、喧嘩ばっかやって正しい生き方をしてこなかった。
綺月の母親の言葉が怖い。
聡に殺されかけた時よりもずっと怖い。
「綺月、あなたに会ってから変わったわ」
次出る言葉を待ち構えていると、驚くほど優しい口調でそう言った。
カオルが顔を上げ、綺月の母親の横顔を見る。
綺月に似て綺麗な顔立ちだった。
「妹さんがいるんでしょ?大丈夫なの?」
「連絡しておいたから大丈夫です」
「そう、聞き分けがあるいい子なのね」
綺月のことが心配で、このまま帰っても奈都に心配されるだけだ。
聞き分けがいいわけじゃない、自分が我儘なだけだ。
もしかしたら、綺月とはもう会わないでくれと言われるかもしれない。
両親もいない、学歴も無い、喧嘩ばっかやって正しい生き方をしてこなかった。
綺月の母親の言葉が怖い。
聡に殺されかけた時よりもずっと怖い。
「綺月、あなたに会ってから変わったわ」
次出る言葉を待ち構えていると、驚くほど優しい口調でそう言った。
カオルが顔を上げ、綺月の母親の横顔を見る。
綺月に似て綺麗な顔立ちだった。