再び、光が差す-again-〈下〉
「嫌なことは嫌って言うようになったし、おかしいことはおかしいって顔をするようになった。
綺月はこんな表情もするようになったんだって、もう高校生なのに今更気付いたわ」
困ったように笑ってカオルを見る。
いつもつけている怖い仮面が徐々に剥がれていくのは、仕事用の正装服を着ていないからだろうか。
「あなた、綺月と付き合ってるのよね」
「はい」
俺は即答で返事をする。
「…そう」
「……は?それだけ、ですか?」
どんな事を言われても、綺月を手放す気はないと断固拒否する気持ちで身構えていたのに、綺月の母親は頷くだけだった。
「俺、両親死んで頼れる身寄りとかいないし、中卒だし、暴走族だし…」
「そうね、すぐに綺月とはもう会わないでって言っちゃうわ」
「じゃあなんで…」
「仕方ないじゃない、綺月を助けてくれたのはあなたなんだから」
そう言うと、まるで我が子に触るようにカオルの頭を撫でた。
綺月と同じように優しく丁寧に。
綺月はこんな表情もするようになったんだって、もう高校生なのに今更気付いたわ」
困ったように笑ってカオルを見る。
いつもつけている怖い仮面が徐々に剥がれていくのは、仕事用の正装服を着ていないからだろうか。
「あなた、綺月と付き合ってるのよね」
「はい」
俺は即答で返事をする。
「…そう」
「……は?それだけ、ですか?」
どんな事を言われても、綺月を手放す気はないと断固拒否する気持ちで身構えていたのに、綺月の母親は頷くだけだった。
「俺、両親死んで頼れる身寄りとかいないし、中卒だし、暴走族だし…」
「そうね、すぐに綺月とはもう会わないでって言っちゃうわ」
「じゃあなんで…」
「仕方ないじゃない、綺月を助けてくれたのはあなたなんだから」
そう言うと、まるで我が子に触るようにカオルの頭を撫でた。
綺月と同じように優しく丁寧に。