再び、光が差す-again-〈下〉
────カランカラン
お洒落な扉を開けると、入店したことを伝える鈴の音が店内に響く。
昔ながらの喫茶店なのか、店内もレトロでおっとりしたメロディーが流れていた。
「綺月、こっち!」
菜穂が端の席で手を挙げる。
私は次の日すぐに退院し、菜穂からお洒落な喫茶店を見つけたから今から話せないかというメッセージが来たため、現在に至る。
「ごめん、待った?」
「全然!」
「凄いお洒落だね、菜穂にはあんまり似合わないな」
「私もうこれからお上品で行くことにしたから」
そういうことを言う時点でお上品とは?となったが、凄い意気込んでいるので心の中で閉まっておくことにした。
私はコーヒーを注文すると、菜穂はすでに注文していたメロンクリームソーダを飲む。